プロフィール
専門は HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) です。なかでも人と食との関わりを扱う Human-Food Interaction を主な研究領域とし、「食べる」という体験をどのように設計できるかを探求しています。
食事は、味覚だけでなく、見た目・香り・食感・食べる順序、さらには食品にまつわる情報のやりとりまでを含む複合的な体験です。こうした体験を素材や調理の経験則に委ねるのではなく、意図をもって設計できるようにすることを目的としています。
その手段として、食品の3Dプリンティングをはじめとするデジタルファブリケーション技術を用いており、例えば以下のようなテーマ取り組んでいます。
- 食品への情報の埋め込み: 外観を損なうことなく、産地や原材料といった情報を食品自体に保持させます。
- 味の空間的な設計: ひと口ごとに味わいが変化するように、味の分布を制御します。
- 食感の設計: 同一の材料から、内部構造の設計によって異なる食感をつくり分けます。
現在は 埼玉大学大学院理工学研究科の博士後期課程に在籍し、 Parinya Punpongsanon准教授のもとで研究を行っています。2024年より JST ACT-Xの研究代表者を、2026年より日本学術振興会 特別研究員(DC2)を務めています。
研究成果は ACM UIST、ACM DIS、SIGGRAPH Asia、IEEE VR などの国際会議、および IEEE TVCG、Frontiers in Nutrition、Applied Food Research などの学術誌で発表しています。
研究内容
私の専門は HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) です。人とコンピュータの関わり方を扱う分野であり、そのなかで人と食との関わりを対象とする Human-Food Interaction を主な研究領域としています。
食事は、味覚だけで完結する体験ではありません。見た目、香り、噛んだときの感触、食べる順序、さらには「これは何からできているのか」という情報のやりとりまでを含む、複合的な体験です。従来こうした要素は、素材の選定と調理の経験則によって間接的にしか制御できませんでした。
これらを設計対象として明示的に扱えるようにすることが、私の研究の狙いです。その手段として、食品の3Dプリンティングをはじめとするデジタルファブリケーション技術を用いています。材料を層状に積み上げて造形するため、外からは見えない内部の構造を1層ずつ制御できます。この特性が、従来の調理法や工業的な製造では得られなかった設計自由度をもたらします。
1. 食品への情報の埋め込み
食品にラベルやコードを貼付すると、外観が損なわれ、おいしさの感じ方そのものにも影響します。そこで、内部構造のパターンとして情報を埋め込む手法を開発しました。
3Dプリンタは、内部を充填するか空隙を残すかを細かく指定できます。この空隙の配置を符号として用いることで、外形をまったく変えずに情報を保持させられます。読み取りは、背面から光を透過させて撮影し、画像処理を施すだけで完結します。
産地・原材料・アレルギー情報などを食品自体に持たせる用途を想定しています。
関連するプロジェクトは interiqr と EateryTag です。ACM UIST および Frontiers in Nutrition で発表しています。
2. 味の空間的な設計
通常、味つけは食品全体に一様にかかります。これに対し、造形と並行して層ごとに異なる味つけを施す手法を提案しています。
液体調味料を霧状にして層間に吹きつけることで、1つの食品のなかに味の濃淡や配置を作り込みます。食べ進めるにつれて味わいが変化するといった、従来にない食体験の設計が可能になります。
関連するプロジェクトは TastePrint です。学術誌 Applied Food Research で発表しています。
3. 食感の設計
食感は、材料の性質だけでなく内部構造にも大きく左右されます。この関係を利用し、同一の材料から異なる食感をつくり分ける手法を研究しています。
噛んでいる過程で食感が推移する「時間的な食感」も対象としており、咀嚼という時間軸をもつ体験そのものを設計対象として扱っています。
嚥下や咀嚼に配慮が必要な方に向けた食品や、代替食におけるおいしさの改善への応用を見込んでいます。
関連するプロジェクトは ChewTect です。ACM DIS 2026 で Best Paper Honorable Mention を受賞しました。
プロジェクト
学歴・経歴
学歴
博士後期課程
埼玉大学
修士(工学)
大阪大学
2022
学士(工学)
大阪大学
2020
準学士(工学)
明石工業高等専門学校
2018
経歴
学会活動
査読
- IEEE VR Workshop (2025, 2026)
- ACM CHI (2025)
- ACM UIST (2025) (1 Special Recognitions for Outstanding Reviews)



